骨粗鬆症とは・・・

何らかの原因で骨の強度がもろくなり、骨折しやすくなる骨の病気を「骨粗鬆症」といいます。骨粗鬆症により骨がもろくなると、ちょっとした外力でも骨折をしやすくなります。
「背骨の圧迫骨折(腰椎圧迫骨折)」「足の付け根の骨折(大腿骨頚部骨折)」「手首の骨折(橈骨遠位端骨折)」「肩の骨折(上腕骨近位端骨折)」などが多く、特に、背骨や足の付け根を骨折してしまうと、寝たきりや、介護が必要になってしまうことも少なくありません。
その為、定期的な骨密度の検査を受けるなど、こまめなチェックを行い、必要に応じて治療を受けていただくことが重要です。

「骨粗鬆症」の原因は・・・

骨は常に新鮮な状態を維持するために新陳代謝をしています。古くなり劣化した骨は壊され、壊された部分に新しい骨が作られているのです。
健康な骨では、この骨吸収(古くなった骨を壊す働き)と骨形成(新しい骨を作る働き)のバランスがつり合っています。しかし、骨粗鬆症の骨ではこのバランスが崩れています。骨吸収ばかりが元気になってしまったり、骨形成の元気がなくなってしまったりします。その結果、骨が徐々にスカスカになってしまうのです。

「骨粗鬆症」の診断・検査・治療

骨密度検査
骨密度は骨の強さを知るための代表的な指標です。若い人の骨密度の平均値と比較して何%くらいあるかで表されます。
測定法は超音波法、MD法、CT法など様々ありますが、本院では、DEXA法といって、日本骨粗鬆症学会ガイドラインなどで基準測定器として定められているX線骨密度測定装置を使用しております。

以下のどれかに当てはまる場合は、骨粗鬆症と診断されます。

1.骨密度がYAM値(若年成人平均)の70%以下である場合
2.脊椎圧迫骨折あるいは大腿骨近位部骨折の既往がある場合
3.それ以外の骨折の既往があり、YAM値が80%以下の場合

血液生化学検査

血液に含まれる骨代謝マーカー(骨の代謝に関係する成分)を測定して、骨の代謝の状態を調べます。骨粗鬆症の治療薬も複数ありそれぞれ異なる機序を持っています、骨代謝の状態を調べることで、最適な治療法を選ぶことができます。
また、血液中のカルシウムの濃度やビタミンDの濃度なども調べることができます。

レントゲン(単純X線)検査

胸椎や腰椎など背骨のレントゲン検査をすることで、圧迫骨折の有無を確認したり、骨のスカスカ度合いを調べることができます。

「骨粗鬆症」の治療は…

薬物療法としては、内服薬と注射薬があり、注射薬にも点滴や皮下注射など様々あります。
また頻度も様々で、内服薬には「毎日」「1週間に1回」「1か月に1回」などがあり、注射薬にも「1週間に1回」「1か月に1回」「半年に1回」「1年に1回」と幅広く、また、自宅でご自身で打っていただく注射もあります。
それぞれ作用機序が異なる為、患者さんの骨密度や骨代謝の状態により、最適な治療法をご提案します。
また、骨粗鬆症の予防や治療は、薬物療法だけではなく、
1.カルシウムの多い食事
2.適度な運動
3.日光浴
など、骨粗鬆症にならないよう、これらの日常生活での注意が大切です。

骨粗鬆症は骨の「病的老化」で、明らかな「疾患」であり、骨粗鬆症診療において重要なことは、骨粗鬆症の早期発見、骨折の予防です。是非、早めの検査、定期的な検査をご検討ください。

当院における骨粗鬆症検査の流れ

診察時(月~土)直接外来の医師に相談するか、問診表の骨密度希望欄にチェックを入れてください。受付でもご希望を賜ります。

DEXA法による骨密度測定(月~土)

骨密度測定実施:午前/8:30~  午後/14:30~
(1回約10分、各2名ずつ)
基本的に予約制ですが、枠が空いていれば当日実施可能ですので、お気軽にスタッフへご相談下さい。

血液生化学検査(骨代謝マーカー測定)

診察時に随時実施、または骨密度測定予約時に実施させて頂きます。

単純レントゲン撮影(腰椎2方向)

診察時に随時実施、または骨密度測定に同時に実施させて頂きます。

結果:医師の診察受診(月~土)

骨密度測定後、約1週間後、骨密度と血液生化学的検査、単純レントゲンの結果を担当医よりご説明させて頂きます。結果により適切な治療法を選択し、ご提案させいていただきます。

なお、骨密度測定は、内服薬や注射により治療中の場合、その効果や副作用を確認するため、4か月に1度の検査をお勧め致します。

DEXA法骨密度測定検査費用:(公的保険が適用されます)

1割負担の方 450円
3割負担の方 1,350円